ロイロノート・スクールを用いて、実験の予想→実験→まとめ→考察の流れをよりスムーズにし、根拠を持ったプレゼンで、より深い考察を行います。
まず前時までの学習内容である、振り子が1往復する時間の求め方、制御すべき条件と記録の仕方を振り返ります。そして、本時は振れ幅を変えて1往復する時間を調べるため、〈調べる条件〉振れ幅、〈同じにする条件〉振り子の長さ・おもりの重さという制御する条件を考え、振り子が1往復する時間が変化するか予想し、紙に記入しました。それをロイロノート・スクールで撮影して提出し、回答共有機能を用いて、クラス全員の予想を全体で確認しました。
次に、振れ幅を変えて振り子が1往復する時間を調べる実験を行いました。ロイロノート・スクールで動画や画像を使って実験の過程を整理し、実験の結果をシンキングツールでまとめました。さらに、まとめた結果を根拠として、グループで考察を話し合うことで、より質の高い考察を行うことができました。
最後に、実験のまとめを提出させ、各グループのまとめをクラス全体で確認し、それを元にして、さらに考察を行いました。この活動により、考察も様々な角度から根拠を持って考えることができました。
ロイロノート導入のメリット
- 実験の予想をする際に、他の児童の予想を共有しオンタイムで見ることにより、一人ひとりがこれからの実験について学習課題を設ける手助けとなりました。
- 実験の過程を写真や動画で振り返ることにより、理論的に整理でき、従来のノートだけを使った授業より格段に結果をわかりやすくまとめることができました。そして、考察を共有することで、思考のゆらぎにつなげ、一人ひとりがより深い考察を行うことができました。また発表の際は、動画や写真を使うことで、過去の実験と比較し、根拠を明確にして自信を持ってプレゼンをすることができました。
- 自分で考える[仮説]→友達と共有する[からみ・補充]→新たな考え、見方[ゆらぎ・深化]→自分で考える[統合・深い学び]というサイクルが非常に行いやすいです。そのため主体的・対話的で深い学びを行うことができました。従来ならこれらを45分で行うのは不可能でしたが、ロイロノート・スクールの様々な機能のおかげで行うことができました。また、児童一人ひとりの考えを時間内に把握することで、学習が遅れがちな児童を把握することができ、学力の向上につながりました。
実践の目標
振り子の運動の変化とその要因について予想や仮説を持ち、条件に着目して実験を計画して表現する。
その際以下の項目に気をつける。
- 動画や写真を使って、思考の可視化を行い、実験の結果を論理的に整理することができるようにする。
- 資料から根拠となる情報を見つけ、自信をもってプレゼンする力をつける。
- 児童一人ひとりの考えを共有化し、子どもの思考に生まれた「ゆらぎ」を生かして、問題を多方面から考える力をつける。
実践の場面
1. ロイロノート・スクールで、前時の学習を振り返る
前時までの学習内容である、振り子の1往復する時間の求め方、制御すべき条件と記録の仕方を振り返る。その際にロイロノート・スクールを使うことで、よりわかりやすく振り返ることができ、本時の学習課題「振り子の振れ幅と1往復時間の関係について」の設定を行いやすくなる。
2. 本時の課題に対して予想を行う
一人ひとりが本時の課題である、「振り子の振れ幅と1往復時間の関係について」予想する。本時は振れ幅を変えて1往復する時間を調べるため、〈調べる(変える)条件〉振れ幅、〈同じにする(変えない)条件〉振り子の長さ・おもりの重さという制御する条件を考えて、振り子が1往復する時間が変わるか予想する。
3. 児童の予想を全体で確認する
児童達は自分の予想を紙に書き、ロイロノート・スクールで撮影し、提出箱に提出する。教師は回答一覧の共有機能を使い、クラス全体で予想を確認する。
ロイロノート・スクールを使うことで、その場ですぐに予想の確認ができるため、時間を短縮することができた。
4. 実験の過程を動画や画像を使ってアクティブにまとめ、論理的な思考を養う
振れ幅を30°、60°、90°と変えて、振り子が1往復する時間を調べる実験を行う。振り子の運動は実際に動いているところを確認することが重要である。ロイロノート・スクールで動画や画像を使って実験の過程を整理し、より明確に実験を振り返ることができた。
子どもの「わからない」の改善につながり、実験の結果を論理的に整理することができるようになった。
5. シンキングツールを使い、考察を深める
実験の結果を、シンキングツールを使ってまとめる。シンキングツールを使うことで、【制御する条件】〈調べる(変える)条件〉振れ幅、〈同じにする(変えない)条件〉振り子の長さ・おもりの重さをわかりやすくまとめることができ、考察が行いやすくなった。さらに、まとめた結果を根拠としてグループで考察を話し合うことで、より質の高い考察を行うことができた。
6. 考察を交流して深い学びへ
実験のまとめを提出箱に提出する。その後、回答一覧を全体に共有してそれぞれのグループのまとめを確認し、そのまとめを元にさらに考察を行う。この活動を行うことで、考察も様々な角度から根拠を持って考えることができ、より深い考察ができるようになった。